メロディアメモリアエ

このサウンドワークは、植物園に設置された石碑が持つ「monere」という語源に着想を得て、時間の経過や過去の出来事の記憶と忘却についての考察を行うものです。震災と同じ100年前に生まれ、当時の人々が共有し、歌い継いできた童謡を取り上げ、過去の記憶としての歌を再生することを試みました。

音と時間の関係性を通じて、個々の記憶や忘却のプロセスにアプローチし、モニュメントの役割を果たす石碑が、音楽という媒体を通じて来園者の記憶の中に刻まれることで、過去と現在、記憶と忘却の架け橋となることを。当時の愛唱歌が「記憶の再読装置」となり、過去の人々の思いに思いを馳せたり、植物園自体がその時代時代によってその役割や景色を更新していくことを表現しています。

「地球のあらゆる場所で、果てしない数の記憶が消え、光り輝く地図が墓へと引きずりこまれる。けれども、その同じ時間に、子供たちが動きまわり、彼らにとってはまったく新しい領域を調査する。子供たちは暗闇を押し戻す。記憶をパンくずのように撒き散らして進む。世界は作り直される。」

アンソニー・ドーア

aus:実験映像作品の音楽を多く手がけ、海外レーベルを中心に5枚のアルバムを発表。レコードレーベルFLAUを主宰し、KEXP、The FADER、i-Dなどにミックスを提供、インスタレーションや空間のためのサウンドデザインも行なっている。https://linktr.ee/ausmusik

Mayuko Hitotsuyanagi:京都出身のミュージシャン、歌手。CuusheやFEMなどの名義で、自身の声を使ったエレクトロニック・ポップの作品をリリース。https://linktr.ee/cuushe